2013年6月1日土曜日

言の葉の庭

新海誠の新作中編映画「言の葉の庭」を見てきた。

さいたまは梅雨入りが宣言されたばかりだが、今日は「あいにくの」快晴。
この作品梅雨のしとしと雨の中で見たかった。

新海作品は前作「星を追う子ども」は見ていないので、「秒速5センチメートル」以来。
だいぶ昔に「ほしのこえ」で新海誠を知り、「雲の向こう、約束の場所」「秒速~」と追いかけてきた。
「ほしのこえ」とその前作「彼女と彼女の猫」は新海誠が1人で作った自主制作アニメとして評判になっていたように思う。それが、次第に、実在の場所を緻密に描いた美しい描写や切ないストーリーが新海作品の持ち味としてとらえられるようになった。

「言の葉の庭」も雨と緑の緻密で美しい描写と「孤悲」の物語。
「孤悲」は「恋」の万葉仮名なのだそうだ。当て字に万葉の時代の日本人の恋のイメージが詰まっている気がする。
うりは雨と緑。新宿御苑の雨に彩られた緑が美しい。その雨も、梅雨や天気雨、雷雨、夕立と様々な雨の表情をかき分けている。雨や靴の音などのこだわりの環境音も印象的で、雨の表現だけを見るだけでも価値があるかもしれない。

物語は切ない。「ほしのこえ」から「秒速~」まで、新海作品はどれも切ない。一途な想いがあって、でも、何かすれ違ってしまったり、うまくいかなかったり。そんなもどかしい感じが「言の葉の庭」にも共通している。ただ、これまでの作品とはちょっと違ったところもあって、それもよかった。主演の入野自由と花澤香菜もよかった。

本編は45分程度。